CMで…となると、全国発売の創刊号となりますね。
ご質問の「週刊○○」というシリーズは、出版業界では【分冊百科】と呼ばれるものです。
「デアゴスティーニ」の分冊百科に関して言えば、全国発売の銘柄はほぼ完結しています。
同社の場合、全国発売になる前に地域を限った先行販売をすることが一般的です。
要はテスト的な先行販売での売行きや反応を見て、全国発売をするか否かを決めるわけです。
先行販売が不振であれば途中で打ち切りになり、全国版としての陽の目を見ない場合もあります。
テスト販売は静岡・宮城・新潟・広島のいずれかで行われることが多いのですが、売行傾向によっては、5~10号で休刊となることも少なくはありません。
ある程度見込みのある商品が全国版として発売されるわけですので、全国発売後に途中で休刊となるケースは殆どありません。
全国発売で”完結していない”という解釈ですと、一昨年隔週刊の『鉄道データファイルプラス』が第10号で休刊となっています。
但しこれは創刊時に最終号数が告知されていませんでしたので、やや状況が異なるかもしれませんが…
反対に延長されるものも少なからずあります(100→150→200→300と完結予定号数をどんどん増やして当初の3倍となった例も)。
廉価の創刊号を大量配本とCM宣伝で惹き付け、それ以降は通常価格で販売し、完結までの長期スパンで宣伝費を回収する、というのがデアゴスティーニの販売方法です。
号が進むにつれて購入読者数が特定されてくることから、実売数に合わせた書店配本へと徐々に部数を減らして行き、後半部では定期購入読者分しか配本されなくなるので、“店頭に並ばなくなる→休刊?”という印象があるのかもしれません。
同じく創刊号のCMを良く流している「アシェット・コレクションズ」も状況はほぼ同じです。
分冊百科は他にも多くの出版社から刊行されていますので、途中で休刊となったものが全くないわけではありません。
代表的なのは、かつて類似の分冊百科の出版元で、スペインに本社を置く「デル・プラド」という出版社が存在しました。
日本法人としてデル・プラド・ジャパン株式会社を設立し、扶桑社が提携して販売を代行していたのですが、デル・プラドの債務不履行を理由に2004年11月5日付で扶桑社が同社との契約を解除したことから、刊行途中の7シリーズ、
「マイドリーム ドールハウス」
「クラシック・カフェ」
「世界のレーシングカー」
「世界の航空機 100年物語」
「ザ・バウンティ 伝説のバウンティ号を作ろう!」
「シンフォリーズ DVDコレクション」
「バトル・フィールド」
が道半ばにして全て廃刊、ということがありました。