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RSA暗号などの暗号を解読するための計算量に安全性の根拠を置く暗号では,解読に投入できる計算機パワーとの兼ね合いで安全性が判断されます(計算量的安全性).これは,使用する暗号の鍵長に依存します. RSA社は,RSA暗号解読コンテストを1991年から2007年まで実施しており,最新の計算機環境を使って,768ビットまでの整数が素因数分解されています.鍵長が短いRSA暗号は既に破られているとも言えます. 1991年当時は,330ビットが解読されましたので,この間の解読の進展度合いが今後も同じように続くと仮定すると,1024ビットはあと10年程度で解読されることになります(768ビットと1024ビットの解読では,解読計算量(MIPS*YEAR)的には約1500倍違います). ちょっと古い資料になりますが,暗号利用技術ハンドブック 第2版(http://crypto.nknu.edu.tw/Campus/e11-sec3.pdf)にRSAの解読時間に関する推定が記載されています.それによると,1024ビットのRSAは,2022年に企業レベル(10億円)で6年,国家レベル(1兆円)で2.2日で解読されるとなっています(この推定は現在ではもう少し短縮されているかもしれません). 現在,RSA暗号では1024ビットや2048ビットが使われることが多いと思いますが,一般的な利用ではまだこのビット数で10年近くは大丈夫なのではないでしょうか. 暗号強度が不足するという事態になれば,さらにビット数を増やすことになりますが.RSA暗号のビット数があまり増えるようなことになれば,より少ないビット数で同じ安全性が確保できる楕円曲線暗号方式を使うことが多くなると思われます. また,先の方の回答にもあるとおり,量子コンピュータが実現され,素因数分解が実用的な時間で解かれるようなことになれば,RSA暗号の安全性は失われると言えます.ただし,誰もがそのような手段を利用できるわけではないので,すぐに危ないとはならないでしょうが.
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質問者からのお礼コメント
有難うございます。
お礼日時:2011/9/25 22:52