まず灘の入試について申し上げると4教科で、数学・国語・英語・理科のみの実施です。
灘高校の入試について一言申し上げると「受験生を中学生とは思っていない試験」です。
英語に至っては「pass away(亡くなる)」や「busy street(交通量の多い道路)」、「be reluctant to~(いやいやながら~する)」など高校の内容の文法が平然と出題される上に、英作文と長文が7~8題登場します。長文は「あまり目にするコトがない慣用表現や中学学習にない分詞構文などが多用される難問」です。中学の教科書ではまるで歯が立たないので、難関大学入試レベルの文法や長文もこなせるようにしましょう。
国語は長文2題と古典1題の構成で、ほとんどが記述式となっています。とっつきにくい内容ばかりですが、意図を吟味したうえで的を射た記述をしなくてはなりません。古典も内容を吟味させた上で記述させるので、ほぼ全文が現代語訳できないとお話になりません。選択肢・記号の多い問題集ばかり解いていると太刀打ちできないようになっています。
理科は1分野と2分野からそれぞれランダムに選ばれたものを大問数8前後で出題しています。その中で、中学学習にない「構造式」が平然と出題されたりもします。
実際に灘高校の入試に登場したものとして「窒素分子の構造式を記せ。→『正解:N≡N』」という問題がありました。恐らく一般的な中学生では問題の意味が分からないかと思われます。
最後に数学ですが・・・。灘の入試の数学は難問ぞろいと言われますが、僕自身それほどでもないと思います(簡単という意味でもないですよ)。当然難関校受験で出題される「15°と75°の直角三角形の長さの比率」や「角の二等分線の公式」、「屋根型の立体の体積の公式」、「台形の面積を二等分する直線」などは必須ですが、それらを駆使すれば乗り越えられます。問題なのが「証明」です。灘の数学では必ず出題される単元で、「直線★★が点◎を通ることを証明せよ」とか「面積が等しいコトを証明せよ」など、バリエーションも豊富です。110分という時間の中で、この証明にどれだけ時間がとれるかもカギになってくる訳です。
僕は駿台模試で数学だけは偏差値70前後をキープしていました。三教科で60前後、五教科で55前後で、灘の判定は当然再検討でした。学校の試験のコトはまるで考えていなかったので、なんとも言えませんが、もし本気で灘高校を受験されるのでしたら、灘高校の入試用の対策を早めに行って下さい。健闘を祈ります。
追伸)リーマン予想や円周率は灘の入試には出題されないので、大丈夫ですよ。
ちなみに円周率の正しい定義は「円周の長さを直径で割った値(直径に対する円周の割合)」ですよ。