「見させていただく」「出させていただく」は間違いではありませんが、
気になる原因は三つあるんじゃないでしょうか。
1.使役謙譲表現自体がしつこい
特に「見る」には「拝見する」という立派な謙譲語がありますもんね。
2.対応する他動詞があることばは使役形を使う機会が少ない
「見る」には「見せる」、「出る」には「出す」があるので、そもそも「見させる」「出させる」という使役形が耳慣れないものです。
3.「サ付きことば」ではないかと錯覚してしまう
「サ付きことば」とは、五段活用動詞の使役形に間違って「さ」が入ってしまったものです。「見る」「出す」は一段活用どうしなので、「〈未然形〉させる」になるのが正しいんですが、五段活用動詞は「〈未然形〉せる」にならなければなりません。ところが最近「作らさせる」「書かさせる」のように余計な「さ」が入ってしまう。
とくにこの2.と3.の問題がごっちゃになって、「見させていただく」「見せていただく」、「出させていただく」「出していただく」のどれかが誤用のように感じてしまうんじゃないでしょうか。
この問題はこうやって理論的に考える以前に感覚的に一瞬違和感を感じるものだと思います。その感覚的な違和感って大切で、違和感のない言葉を選んで使える人は賢いと思います。だから、質問者様の「拝見してます」「出演させていただく」という言い回しをする人のほうが、賢く思えるんじゃないでしょうか。きっと質問者様と話したら好感が持てるのではないかと想像しています。