日本語はさまざまな呼び名があって、設備をはじめたばかりなら当然迷うことでしょう。
仕切り弁も、止水栓もすべて弁体ですから、通常「バルブ」と言う言い方で統一していてかまいません。
バルブはその都度の用途で名称が変化します。
例えば、衛生器具類の給水や給湯を止水するのは「止水栓」「止水バルブ」。これがメーターなら「メーター止水栓」「メーターバルブ」。消火配管上なら「消火バルブ」。空調の冷水管や冷却水管では「二方弁」や「三方弁」などです。
仕切り弁とは特に口径が大きな配管に切り込むバルブに対して、特にそう呼びます。
弁類はそのほとんどが完成後のメンテナンスや、改修工事で必要になるために使用します。
簡単に言えば、トイレ。給水管は壁か床下にあり、メッキ管上に止水栓を取りタンクへ接続します。そして後にヘリューズ管やロータンクの修理や取替えを必要としたとき、もし止水栓をとっていなければその家の本メータバルブを閉める必要がでてきます。
そうすると家中の水が出なくなりますね。
これがビルやオフィス、工場単位になるととても大変なことになります。
そのために配管本管なら大本に、そして本管から伸びる枝管にもそれぞれバルブを取り、大規模な断水をしないように設計をします。
弁類にも種類がありますね。仕切り弁は別名ゲート弁、ゲートバルブと言います。バルブのハンドルを回すと、軸の先端についている仕切りが上下し水の流量を調整します。
次に多いのがボール弁です。ボール弁はハンドルがとって状になり、比較的速やかに仕切りを開閉できるよう設計されてます。バルブの中に一方向に空洞が開いているボールが回転することで、水の流量を調整します。
そしてバタフライ弁です。これは特に空調機械室や給水ポンプ周りでよく使います。フランジ式です。ハンドルをまわすことによって仕切りが縦軸上を基準に回転して流量を調整します。上下方向しか作動しないゲートバルブに対して、バタフライ弁は仕切りが地球の自転のように回転するわけです。
また最近はあまり使用しなくなりましたが、蒸気管の特に還り管で使用していたのが玉型弁です。
玉型弁はハンドルの先に半円状のゴムパッキンが張り付いた仕切りを上下させて仕切るバルブです。バルブの入りと出口が弁の中で互い違いになっていますが、蒸気やオイルなどの高圧で行き来する気体や液体を制御するには抜群の性能を誇ります。
またポンプ周りでは流体の逆流を防ぐため、逆止弁(通常チャッキ弁と言います)があります。ハンドルも何も付いていない、逆流防止装置ですが、これもちゃんとしたバルブのひとつです。チャッキの先には管内のゴミを取るための、Y型ストレーナーを必ず切り込みます。
とにかくどんな形でも配管を閉鎖するシステムは、ほとんどをバルブと言っても過言ではありません。
最近では厨房の配水管などに、ウォーターベストと言われる、一定方向にしか仕切りが開かない虫除け用逆止弁タイプの部材があります。パカパカと中の仕切りが開け閉めされるだけでハンドルも何もありませんが、これもれっきとしたバルブです。
で、床下配管の立ち上げ位置と言うのは、パイプシャフトの事でしょうか?
まずどんな場合でも施工図の存在が大切になります。設計図の段階では、客先から要求された電気や水、湯、OAやSOAの容量を計算し、適切な幹線、配管、ダクトサイズとそれに呼応するポンプ、ファン、キュービクル、配電盤等を決めていきます。
そして建築が作り出す平面図、立面図、天井伏図、躯体図、間仕切り詳細図などを受け取り、いよいよ施工図を作成して行きます。その時点でほぼパイプシャフトの位置や大きさなどが決定します。
なので配管の立ち上げ位置も本来は戸建てであっても、施工図において現場には指示する必要があるわけです。
しかし小さな設備配管ならば、熟練した職方達が把握している場合も多く、現場で他の業種と口頭で決めていく場合もあります。大きな現場ではそうは行きませんから、全て施工図において施工して行きます。
流れとしては、
工事の受注⇒設備・電気・建築の設計⇒設計図の完成⇒地中掘削開始⇒施工図の完成⇒躯体工事⇒設備工事⇒諸所の検査⇒竣工検査・施主検査⇒竣工⇒完成図書の作成⇒半年点検⇒一年点検⇒改修工事…
が大まかな工事現場の流れです。