昔、スーパーに勤めていたことがあります。 担当者は値引きを前提に発注量や生産量を決めていません。できれば値引き無しで閉店直前に全て売り切れるのが理想です。 しかしながら、客商売なのでそんなに毎回毎回うまくいきません。売れ残りで1円にもならず捨てるのが一番最悪なので、泣く泣く値引きをします。 なので基本的には値引きしたものでも買ってくれるのは本当に助かります。捨てずに済むので。しかしながら理屈は分かっていても夕方半額狙いでくるお客さんは好きにはなれないのが本音です。 値引き待ちで店内をうろうろ。早く値引きしないかなぁとの目で店員の動向をみいます。まさに獲物が絶命するのを待つハイエナ。こちらも利益を上げるために商売しているので、ハイエナに食い散らかされるために一生懸命やってるわけではありません。 ちなみに、惣菜は原価はたしかに3割ですが、それを作るために手間・人件費が掛かっています。売場管理のための維持費も掛かっています。なので加工費まで考えると原価7割～8割。その他管理費も入れ、仕入れのための人件費や本部費まで入れれば１０％も取れません。値引き前がめちゃめちゃ儲けているわけではないのです。 なんとか値引きしないで売れるように、何を提供するか。店内加工している店ならどうすれば美味しくなるかを日々考えています。提供価格で買ってもお客様が満足してくれる売場作りを常に試行錯誤しているのです。 という逆恨みともいえる恨みつらみが半分。しかしそもそも時間が経てばまずくなるわけだし、売れ残りが怖くて夕方以降の売場がスカスカでは夕方のお客さんが逃げてしまうのも分かっているので、やっぱりそれなりに沢山売場に並べて、夕方予想の外れた売切れそうもないものを半額に値引きして何とか捨てずに済むようにしています。 捨てずに済むし半分でもお金になるから、買ってくれて助かる。でも悔しい。 そんな乙女心にも似た複雑な心境が、店員さんの『にらみ顔』になって現れています。すんなりスルーするのが大人なんじゃないですかと思います。 笑顔で半額で売れるくらい儲かってたら、はじめからもうちょっと安くしますｗ 食べ物商売は笑いが止まらないぐらいぼったぐれる商売ではないです。大目に見てください。