かつてファミコンの時代に、任天堂は一部の有力なメーカー(ハドソン、ナムコ、タイトー、コナミ、ジャレコ、アイレムなど)に自前でカセットを作ることを許していました。当時も今もソフトメーカーは任天堂にROM(カセット)の製造を依託し、任天堂はそれを通じてソフトメーカーを支配していたわけですが、"特例"としてファミコンを立ち上げた頃からの有力メーカーには、自分達の工場でカセットを作ることを許していたのです。だからいろんな色や形のカセットがあった。 しかし、その結果としてハドソンやナムコの謀反を招いてしまいます。謀反とはつまり、ファミコンの商売敵となる独自ハードの開発です。ハドソンは言わずと知れたPCエンジン。ナムコも計画を立てましたが、任天堂が圧力をかけたのか未遂に終わっています。 そして、スーファミでその"特例"はリセットされ、カセットの製造は任天堂に一本化されました。カセットの色や形が統一されたのも表向きはデザイン上の理由なのでしょうが、やはり｢もう勝手なことはさせないよ｣という、任天堂の意思表示以外の何物でもないでしょう。それだけ当時の任天堂の支配力は凄かったというか、怖い会社だったというわけです。