2010年の灘高校の理科の入試問題、確かにパッと見、高校の化学なのかと思わせるような問題が出題されていました。大問7の分子の構造式で、環状構造をもつだとか、何じゃこれは?と思った受験生も多いことでしょうね。他の理科計算問題においても、高校できちんと習うような考え方が一部含まれている問題も出題されていました。
しかし、灘高校は、高校理科の範囲の学習を要求しているわけではありません。中学数学で解けるように作ってあるから(一部、解の公式を使う問題がありましたが、今年からは問題なし)、その場で自分で解法を作り出して解いてみてごらん。または、高校化学をレクチャーしてあげるから、その場で理解して問題の誘導に乗ってごらんよ。そういう力のない人は、灘には入れてあげないよというメッセージなんですね。
ですから、事前に知識を入れようとしても、今からでは到底間に合いませんし、灘はそういうことは求めてはいません。きちんと数学的素養と読解力をつけて、その場でなんとかあがいてみなさいということなんですね。
まぁ、灘高校を目指すぐらいの人なら、試験当日はどういう思考パターンを取ればいいのか、連立方程式などに持ち込むためにはどうしたらいいか、過去問というサンプルから普遍化したルールを抽出することができるかと思います。
日本で一番厳しい試験です。私からアドバイスすることは何もありませんが、過去問研究に合わせて、他の難関私立高校の理科の問題も解いて標準的な問題が解けるようにしておいてくださいね。頑張ってください。