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銀行と証券では理由が違うと思います。両方の経験を元に説明します。 証券営業に関しては,kenta19860913さんが言う通りです。異常な世界です。会社側も最初から2−3割生き残ればいいと割り切って採用しています。よっぽど神経の図太い人か,鈍感な人か,超前向きな人しか生き残れません。一方,証券の営業以外では,確かに残業は多いですが,離職率はそこまで高くないと思います。 銀行は複雑です。支店の営業は残業規制があったりして,それほど時間的にキツいわけではありません。上下関係は旧日本軍レベルですが,ノルマについてもそれほどキツくありません。労働条件を理由にやめる人はほとんどいないと思います。一方,本社の労働条件は異常です。深夜過ぎは当たり前,カプセルホテルやサウナから出社というケースも結構あります。それでも,労働条件を理由に辞める人間は少ないと思います。銀行の離職率が高いのは,プライド意識の高い優等生が現実に対応できず,適応障害や鬱になったり,出社拒否をするようになったり,そうなる手前で嫌になるという精神的な理由が一番大きいと思います。 有名大学をそれなりの成績で卒業し,大手の銀行に入った行員の多くは希望と情熱に満ちています。「日本の経済を立て直すためには銀行がリードしなければなりません」と大志を抱いて入行してくる者も少なくありません。しかし,新人研修の後に配置になった支店では,黒い物でも白いと言わなきゃいけない支店長の権威,日本経済が云々と話をするなら自転車で預金集めされられる現実にぶち当ります。銀行検定の勉強をして同期で一番になろうと思っても,上司に飲み会に誘われるのは日常茶飯事。普通の会社でもこういう現実に直面することになると思うのですが,銀行員の多くはプライドの高い優等生,精神が壊れてしまう人が多数出ます。壊れなくても,辞めて行く人の多くは精神的に追いつめられています。 さらに,バブル崩壊以降は,報酬低下が追い打ちをかけました。昔は大手銀行に就職すれば,かなり高い報酬を期待できたと思います。しかし,バブル崩壊以降,銀行が生き残るために行員の昇給や賞与を大きく下げ,20年前,他の業種と比較して大きく水を開けていた行員の生涯賃金は平均的なレベルに落ちてきてしまいました。これは,"優等生"のプライドを益々傷つけることになったと思います。 因に,地方銀行の離職率が高いとは思いません。多くの地方銀行の行員は地元では”名士”のように扱われます。プライドに見合った世間体と扱いを受けるのが普通です。 後ろ向きの理由を多く書きましたが,これとは別に,金融経験者は”潰しがきく”と言われて,転職しやすいことや,東京に多数存在する外資系金融機関にヘッドハントされることも,高い離職率の原因の一つになっているかもしれません。課長クラスが倍の年収で転職するということは結構ある話です。これは,15年前程ではないにしろ,銀行にも証券にも共通する話です。
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質問者からのお礼コメント
なるほど
お礼日時:2011/2/10 18:39