最初にkuroandcyaさんが書かれているように、おそらく自由生活型のコペポーダ（カイアシ類）の一種でしょう（↓）。 http://www.1023world.net/blog/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%9A%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%80 特に珍しいものではありません。淡水にいるケンミジンコもコペポーダの一種です。お手許に顕微鏡かルーペがあれば観察してみて下さい。中々美しい生き物です。 小型甲殻類の仲間で、海水魚の多くは、特に仔稚魚の時代に主にこのコペポータを食べて育ちます。そこで「海の米」と呼ばれることもあります。もちろん、成魚であっても、プランクトン食のクマノミやハゼなどは、このコペポーダを与えると大喜びで、狂ったように貪ります。こうした仔稚魚やプランクトン食の魚のために「冷凍コペポーダ」が市販されていて、餌付け等に活用されています。 これが発生したからと言って、（鑑賞上はさておき）特に水質維持の上での問題はありません。水槽内である程度の物質循環が行なわれている結果でしょうから、むしろ喜ばしい（＝魚の餌になる）くらいに考えて、放置で良いと思います。 ただし、ではコペポーダが水質維持に貢献する生き物かというと、果たしてそれほどのものでもないでしょう。彼らの餌はほとんどの場合、水中を漂う微細な植物プランクトンですから（中には寄生性の種もありますが、そういう連中はガラス面に集まったりしません。）、彼らの増減は植物プランクトンの増減を介して、飼育水中の栄養塩の増減と関係を持つわけですが、飼育水中の栄養塩の管理には、もっと別の手法（ex.換水もその一つですが）を用いた方が良いです。 その点ではヨコエビやゴカイなどとは違い、直接的な残餌処理の役割は期待できません。海洋生態系の中での位置づけは「分解者」ではなく、「生産者」たる植物プランクトンを最初に食べる、「一次消費者」でしょうね。（魚などはその「一次消費者」を食べる「二次消費者」とか「高次消費者」ということになります。） で、もし質問者さんがガラス面にコペがくっつくのが不快だと思っているのであれば、水中ポンプなどをガラス面に向けて設置して、ガラス面付近に強い（早い）水流を作るようにして下さい。彼らは遊泳力が弱いので、比較的止水に近い環境に集まる傾向があります。ガラス面につくというのは（おそらく正の走光性の結果だと思われますが）、そこが彼らにとって居心地のよい場所（水流の緩さが）にもなっているからであって、水中ポンプなどで強い流れを起こしてしまえば、彼らはガラス面に止まることができなくなります。 とは言え、多くの場合、一時的にコペの大発生を見ることがあったとしても、飼育水の水質の微妙な変化などによって、やがて大発生は収束し、コペの姿もあまり見られなくなる場合が多いです。その意味でも、放置で構わないとは思います。 なお、海水性白点虫（クリプトカリオン・イリタンス）の成虫（プロトモントやトモント）や卵（シスト）は、ぎりぎり肉眼でも見える大きさなのだそうですが、そもそも比重が重いのでガラス面にはつきにくく（すぐに水槽底面に沈んで行く）、やや楕円形の丸い塊りで、 >たとえるならダニ のようには見えません。 お話から考えるに、白点虫との可能性は低いものと思います。