アンコウのオスは同じ仲間のメスと判ると体に噛みつきます。
オスは鋭い歯で噛みつき、さらにくさびのようなもので外れないように工夫しています。
こうして暫くするとオスの口からメスの体へ“融合”を促進する酵素が生産されます。
するとオスの唇とメスの皮膚が血管レベルまで融合して行きます。こうしてメスの血管から栄養を摂るようになります。
寄生したオスは次第に退化がはじまります。
目は小さくなり、結局は目が消滅します。
呼吸も自分では行わなくなりますが、栄養をもらってやや大きくなるようです。
こうなるとそれらの体は一種の雌雄同体を形成します。
この間にもメスは積極的にオスを誘惑し、他のオスが噛みついて寄生がはじまることもあります。
メスの卵巣が発達してくると、血液中のホルモンから寄生しているオスの精巣も同様に発達してゆきます。
少し大きくなったオスは内臓まで失われてゆきますが、精巣だけが大きくなります。
さらに産卵のタイミングも血液ホルモンを通じてオスに伝わり、タイミング良く産卵と放精が行われるのです。
こうしてチョウチンアンコウは、繁殖のパートナーを探すのに困難な深海で、メスはオスを寄生させて繁殖の機会を逃さずに産卵できるのです。
オスはその後も寄生しつづけ、いずれ吸収されて死んでいきます。
補足より
意識はないのではないでしょうか。
もう内臓も吸収されてるし、栄養はメスからもらえるし
メスの身体にあわせて精巣も大きくなります。
意識する必要はないと思います。