まず、なぜ長い片道の切符を買うと安いと言われているのかについて理由を述べます。
JRの普通運賃は、基本的には1kmあたりの運賃(賃率)に距離を掛けて求められますが、長い距離を乗ると割安となるような設定(遠距離逓減制)となっているためです。
賃率は、本州三社幹線の場合、以下のようになっています(税抜)。
300kmまでの分……16.20円/km
300kmを超え600kmの分……12.85円/km
600kmを超える分……7.05円/km
このように、600kmを超える分の運賃は600km以下の分の運賃の約半額となっています。
実際の運賃(本州3社幹線)を見ても、片道の営業キロが630kmの区間の往復割引運賃は16,820円ですが、片道の営業キロが1,260kmの区間の片道運賃(無割引)は14,070円です。
ご質問の経路は、東京から大阪へ戻る途中の山科で一周するので、1枚の片道乗車券だけで買うことはできません。
連続乗車券か2枚の片道乗車券となります。
一周する経路をたどった場合、一周した駅で運賃計算を打ち切ります。
(米原~新大阪間の新幹線は、並行在来線と同じとみなされます。)
有効期間は問題ありません。
「はくたか」の特急券は、在来線→新幹線の乗り継ぎなので、「はくたか」乗車日翌日の上越新幹線に乗る場合でも乗継割引になります。
●乗車券(運賃)
・「大阪市内→山科」 ¥14,390
(経由:東海道線・湖西線・北陸線・信越線・北越急行ほくほく線・上越線・[越後湯沢]・上越新幹線・[東京]・東海道新幹線・[米原]・東海道線)
営業キロ1,234.4km→有効期間8日
・「山科→京都」 \820
(経由:東海道線)
営業キロ48.3km→有効期間1日
※ この2区間を組み合わせた連続乗車券とする場合、有効期間が合算されてどちらの区間とも9日間になります。
●料金券 (普通車指定席の料金は通常期)
・特急券 「大阪→富山」 \3,030
(サンダーバード号 普通車指定席)
・特急券「富山→越後湯沢」 \1,640
(はくたか号 普通車指定席)【乗継割引】
・新幹線特急券「越後湯沢→東京」 \3,230
(上越新幹線 普通車指定席)
・新幹線特急券・グリーン券「東京→新大阪」 \10,180
(のぞみ号 グリーン車指定席)
・運賃合計:15,210円
・料金合計:18,080円
運賃料金合計:33,290円
補足に対して
やっぱり浦佐が出てきましたか……。
浦佐から乗った新幹線の列車を東京までそのまま乗車されるのでしょうか?
切符の区間は繋がっているのでキセルではないのですが、乗継割引(※1)又は特急券の併用(※2)について車掌とトラブルになる可能性があります。
(※1) 在来線特急は越後湯沢で降りているのに新幹線は浦佐から乗っているので、規則に定められた条件である「直接乗継ぎ」といえるか疑義が生じてくる。
(※2) 複数枚の特急券で一本の列車に乗ることに対して文句をいう係員が時々いる。
浦佐から戻ってきた際に越後湯沢で一旦下車(浦佐から越後湯沢までの乗車券・特急券で出場して、大阪市内からの乗車券と越後湯沢からの特急券で再入場)すれば、心配はないのですが。