やはり質問者さんの言うとおりドラクエ3ですね
当時中2の俺、こずかいは月に1000円、そして経済観念のなさが災いしていつも金欠でした
なんとかしてドラクエをやりたい、しかしファミコンすらない、どうしたものか?
ここからドラマが始まります
まずターゲットは兄、夜学の高校に通い昼間は町工場で仕事をしていました
「親父に言っても軽くあしらわれるのは分かっている、兄に相談してみるか」
でも直球で相談しても拒否されるのは分かっています、そこで揺動作戦を決行しました
「兄貴、ファミコンって知ってるか?あれメチャクチャ面白いらしいよ」
「あーでも欲しいと思わないから」
「でもドンキーコングとか出てるらしいよ」
「マジで!?それならやってみたいかも」
揺動作戦と言っても中学生の考えることはこんな物です、しかし兄は乗ってきました
ここからファミコンがいかにすばらしいか、まるで演説がする政治家のごとくまくしたてました
数時間後、兄は完全に乗り気になっていました
「2万円か・・・でもドンキーはやってみたいし・・・じゃあ買うよ」
まずは第一段階成功です
それと平行してTVの奪取作戦も決行しました
父がTVで大好きな巨人の試合を見ているとき
「ねーねーお父さん、このTVそろそろ古くなったから買い換えない?」
「バカ言ってるじゃない!まだしっかり映ってるだろ」
「でも○○君のお父さんはTV買い換えたらしいよ」
○○君のお父さんと家の父は昔から喧嘩をしていて父曰く「○○だけには負けたくない、あいつは阪神ファンだからな」が口癖でした
「○○君の家が新型で家のは古いままなの?」
その言葉に反応した父は「よし!来週TVを買いに行くぞ」
そして翌週、うちに新型TVがお目見えしました
電気屋が古いTVを持って帰ろうとするとすかさず俺が「そのTVいらないんなら俺にちょうだいよ」
断る理由がなかった父はその古いTVをくれることになりました
兄は自分のTVより弟である自分のTVが大きいことにかなり不満のようでしたが「俺のTV一緒にファミコンやろうよ」という誘いでその不満もどこかへいってしまいました
そして作戦も最終段階、いよいよドラクエ3を買うように仕向ける場面に来ました
兄は飽き性でドンキーコングもほとんどやらなくなっていました
ある日の晩のこと「ねーねー兄貴、ドラクエ3っていうゲームが凄く面白いらしいよ」
「へーそうなの?」
ここでまた俺の演説が始まりました
しかしドラクエを説明する時、まずはそのゲームがどんなものなのかから説明しなくてはなりません
今でこそロープレといえば理解できますがあの当時そう呼べるものはほとんどなく認知度は皆無でしたからね
それをゲーム音痴の兄に説明するのですから本当に骨が折れました
しかしその牙城が崩れるときが来ました
「お前がそこまで言うなら買うよ」
記憶が正しければその時産まれて初めてガッツポーズしたはずです
そして翌日兄がドラクエ3を片手に帰ってきました
買った時期もブームがかなり下火になった頃だったのでアッサリ買えたそうです
そして最初に電源を入れたのは兄でした
ついに我が家にドラクエのテーマソングが鳴り響く時が来たのです
感無量でした
そしてゲームを始めたのですが始まって10分もしないうちに「ぜんぜん面白くないよこれ!!」と怒り出しました
間髪いれず俺が「え!じゃあ俺がやっていい?」と聞くと「もうファミコンもいらないからお前にあげるよ!」と怒って出て行ってしまいました
ここにTV,ファミコン、ドラクエ3が我が手に入りました、あの時ばかりは勝利の雄叫びを上げたかったくらいです
その日は時間の許す限りやり翌日に期待して寝ました
そして学校へ行ったのですが頭の中はドラクエ3のことでいっぱいでした
先生に怒られても上の空
そして終業のベルがなると同時にダッシュで家に帰り晩飯も風呂も忘れて空いた時間はドラクエ三昧
レベルが上がるたびに成績は急降下、先生に何度呼び出しを食らったか分かりません
それがきっかけで不登校となりそんな生活が続いたある昼下がり
そろそろバラモスを倒す所までいったのですがそんな日に限って父が早番で帰ってきて学校にいる時間にゲームをやっている俺を見つけて激高
その晩、俺の顔は3倍近くまで腫れあがっていました
それに懲りて不登校時代はアッサリ幕を引くのです
長文になりましたがこれが人生を変えたドラクエの思い出です