業界に20年、職人/販売/企画/デザインのあらゆる経験からお応えします。
「表面を削っているのか?」の問いに率直にご解答申し上げるならば、その通りです。
『削る』と言う表現が適切であるかはその対象となる製品の状態、主に傷の状況や深さ、変形、凹み等の有無にもよりますが、正しくは『研磨している』とする表現が妥当かと思われます。
「どの様に綺麗にするのか?」に対する解答を申し上げれば、その対象となる地金の種類、セットされている石の状態、枠(本体部を指し『ワク』と読みます)のデザインにより様々です。
研磨道具は主に業界通称『リューター』と呼ばれるペン型の先端変換可能な高速回転機器を使用します。
質問者様もご存知かと思われますが、歯医者で歯を治療する(削る)際、高音高速でガリガリとされる物と同様と認識して問題ありません。
これらでデザイン細部の下仕上げを行います。
※『リューター』と言う呼称は本来ある研磨機器ブランドが出す製品名であり、これが業界の通称となっています。
※『先端変換』とは対象となるデザインや形状により様々な形状の先端研磨パーツがあり、時にそれらを適切な形状に加工し、ペン型の回転工具にジョイントします(歯医者でも沢山並んでますね)。
上記機器を使用し下処理を行った後、更に大型の回転機材である、通称『バフ』と呼ばれる機材に、極めて薄く柔らかい布(シルクや木地)を何重にも重ね(ミルクレープ状)円盤型にカットされた道具を装着し、その布に極めて細かい研磨粉を練り込んだ研磨剤を馴染ませ(着ける)機材を回転、そこに対象となる商品を当て最終研磨を行います。
この『バフ』と呼ばれる機材のイメージを上げるのであれば、コンビニ等で床を磨いている回転機材が解りやすいのではないでしょうか。
あの水平回転板が縦書き垂直回転している機材であり、そこに商品をあてがい最終研磨を行うと想像して頂ければ良いかと思われます。
勿論ですが、上記は最もベーシックな内容を簡潔に文書でお書き差し上げたまでであり、全てを書き上げる事はとてもでは有りませんが不可能です。
であるため、これらが全てとして解釈なさらぬ様お願いしたく思います。
また、これらを職として行える人間は様々な地金特性、石特性だけでなく、あらゆる機材特性と道具特性、知識は勿論、高度な技術を持った上で成せる技術であり、これらを習得するにはセンスや天性のあるなしは勿論、修行年月云々と言う物でもありません。
あくまでもこの知恵袋内での『文書記述可能な貴金属研磨礎知識』としてご理解下さい。