誰だったっけ…松任谷由美だったか誰かの歌にあったんだけど、 「好きな男と偶然あった時に限ってオシャレしていない私」みたいな内容の歌で、 私はまったくその通りの経験をしましたよ。 別れた彼氏がいました。好きで好きで仕方なかったのに、彼の心変わりで泣く泣く別れました。 しかし心の中にはリベンジ魂が燃え（笑）、すっごくイイ女になって、どこかで出会った時に後悔させてやるんだ！みたいな。 当時、私は営業の仕事をしていて、仕事中はビシッとしたスーツにハイヒール、化粧もばっちり決めてましたし、 普段も人目の多い場所に行く時はちゃんとそれなりの恰好をして化粧もしてました。 狭い田舎町の事。いつどこで彼にばったり出会っても大丈夫！と気合も入っていました。 しかし、ある日、近くの本屋さんに出かけた時、近くだし、ちょっと立ち読みしたいだけだし、 なんせ田舎でしたので、本屋さんと言ってもそんなに大きくない、お客さんも多くない店でしたし、 まあいいかと思って、すごくテキトーな恰好にボロボロのサンダル、すっぴんで出掛けたんです。 で、立ち読みをしていたら、後ろから肩をポンッと。振り向くと、別れた彼がニコニコ立っていました。 「おう、久しぶり。元気？」　 しどろもどろな私。ロクに彼の顔を見る事もできず、曖昧な薄ら笑いと適当な返事だけで、読みかけの本を戻して逃げるようにその場を去りました。 しかも私が立ち読みしていたのは「週刊少年ジャンプ」 …最悪でしょ？　 彼とは縁がなかったんだ…って、すっぱり諦める事が出来ましたよ。神様ありがとうってなもんだ、こんちくしょう。