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合気道はもともと大東流という古流柔術がもとになっています。 その大東流は、もともとは会津藩の御留武術、つまり藩の中の上級武士にしか教えてはいけない武術でした。 大東流が伝えられていた頃の日本はと言えば合戦はなく、上級武士は専ら城中で生活していました。 そのために大東流は城中(殿中)の中での護身術として発達したわけですが、上級武士は儀礼として常に袴を穿き、正座若しくはそれに近い体勢で日常生活をおくっていました。更には目上の人間に対するときは、膝を付いたまま歩み出る、つまり膝行という作法を守らなければならなかったのです。 そういった文化の中での護身術ですから、大東流は膝を付いた状態のときに襲われても大丈夫なようにする技術が発達しました(立ってからの技もありますが、座り技を学ぶことから始まる武術です)。 やがて文明開化の世になってから、大東流は一般の人間にも伝えられ、大東流を学んだ植芝盛兵が合気道を創始したわけです。 そういうわけで、合気道が膝行を行うのは大東流の名残です。 つまり技のために膝行という動作が作られたのではなく、膝行で行動しなければならない文化の人たちが学ぶ武術であったために、膝行を移動法の中核に据えた技術体系になったという順番なわけです。 ただし、だから膝行を現代で学ぶのは無意味というわけではなく、膝行を前提に多くの技が作られていますから、膝行をしっかり身に付けることが合気道の技の上達にも繋がるわけです。
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質問者からのお礼コメント
回答有り難うございます。成る程勉強になりましたm(_ _)m
お礼日時:2009/8/24 19:20