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「都」という漢字の本来の意味は 《人や物が多く集まる(所)》を指しています。 「会」の字も、人が多く集まってきて話しをすること を意味しているので 人が多く集まってきて多くの会(集合体)を形づくる 大きな街を意味するのが 「都会」です。 《物が多く集まる》=《充実していて豊かなこと》 から、《きれいで立派なこと》を「麗都(れいと)」という 熟語もあります。 また、物を集めて合わせて、全てが無理なく合致することを 「都合(つごう)」といい、 プラスの意味でもマイナスの意味でも 《物事をするに当たっての事情》という意味合いで 「都合」というのは、ここから意味が発展したものです。 「京」のほうが《みやこ、京城》という意味です。 「亠」は「高」の上部と同じで、楼閣の屋根の形状を表しています。 「口」は集落やみやこを囲う城壁を意味し、 「小」は小高い土台(丘)を描いたものです。 古来より人は、洪水などの水害や湿気の及ばない高台を築いて その上に集落を構成し、それが後には中心的な街(都会)となり、 「みやこ」になったのです。 そのため、原意には《小高い丘》という意味もあり、 《高い丘》という意味の「京丘(けいきゅう)」という語もあります。 平安京を「京の都」と言い、平城京(奈良の都)は、 平安京遷都以降、国の中心となった平安京を基準として、 南にある平城京を「南都」と言ったことからも、 「都」は《大きな街》であり、 京(みやこ)のある都(まち)が「京都」になった。 ということが分ることと思います。 ちなみに、 荒俣宏氏の『新帝都物語』(上巻)の中に 平田学派の創始者・平田篤胤の娘・平田おちょうが 異国の商人・スネルに「京」の字を説明する場面があります。 その内容は、おちょうの言葉を借りて荒俣氏の解釈が説明されて いるのですが―― この文字は「京都」を示すというより、 「みやこ」、つまり、国の中心となる街のことを表しています。 その証拠が、この「京」という字に秘められてるのです。 「口」と「小」は都を囲う城壁とその正面入口となるアーチ型の 楼門を示している。 「亠」は楼門の上に建つ望楼(タワー)とその上に立てた 土圭(とけい)〔=日時計〕を表しています。 都城の楼門の上に土圭を立て、この土圭を常に観察して方位と時刻を 管理した。 また、楼門の壁の土には戦没した無数の兵士の遺骸を塗り込めて、 彼らの霊が門を守っているのです。 「京」というのは 正面の楼門の上に土圭を置き、城壁に囲まれ、 死者の霊にも守護された神聖なる都(みやこ)なのだ。 ――というような内容でした。 この解釈もなかなか面白いとは思いませんか? 実は、私はこの本を最近読んだところで、 この「京」の字の解釈は大変興味深いものでした。 現在はこの本の下巻を読んでいるところです。(*^_^*)
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ID非表示さん
2011/4/8 13:01