「遺失物法」では、「拾得物は遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。」ことになっています。 店員が、忘れ物のハンカチを小物だからとか、金銭的な価値がないからと主観で判断し、ゴミとして捨てることは、明らかに「遺失物法」違反です。 今回のあなたのケースのように遺失者に特別な思い入れがあるものかもしれず、忘れ物（拾得物）の価値を決めるのは、遺失者です。 「遺失物法」では、拾得物を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなかったからと言って罰則はありませんが、店員が、「遺失物法」を知らなかったから故意はないとは言えず、あなたの言うように厳密に行ったら「刑法」上の「遺失物横領罪」が成立します。 しかし、あなたのハンカチへの強い思い入れが警察に伝わらない限り、警察は被害届を受付けないし、たとえ受付けても捜査はしないでしょう。 ただし、「遺失物法」では、質問の店のような不特定多数の人が利用する施設では、「遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。」ことになっており、「民法上」の権利を侵害されたとして、賠償請求はできます。 一度、店に要求されたらどうでしょうか？ 店が弁償しないのなら、弁護士を頼ることなく即決判決がでる少額訴訟を起こすことも可能です。 「遺失物法」 第４条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 ２ 施設において物件の拾得をした拾得者は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。 第１３条 第４条第２項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 第１５条 施設占有者は、第４条第２項の規定による交付を受けた物件については、第１３条第１項の規定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。 「刑 法」 第３８条 ３ 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。 「民 法」 第７０９条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。