爆弾低気圧とは、温帯低気圧の中でも中心気圧が24時間で一定量下がったものを言います。
具体的には、低気圧の中心の緯度を φ とすると、24時間で 24×(sin φ/sin 60°) ヘクトパスカル 以上 中心気圧が下がったものを言います。
たとえば、低気圧の中心が北緯35度(東京とほぼ同じ)なら24時間でだいたい16ヘクトパスカル、
北緯45度(稚内とほぼ同じ)なら24時間でだいたい20ヘクトパスカル、
北緯60度(カムチャツカ半島の付け根付近とほぼ同じ)なら24時間で24ヘクトパスカル以上中心気圧が下がったものです。
日本近辺は、世界的にもすごく爆弾低気圧がよくできる場所なんだそうです。
実は、この時期は高気圧の中心気圧は1040~1050ヘクトパスカルくらいにもなります。
今現在も中国東北部には1048ヘクトパスカルの高気圧があります。
そして日本のはるか東には966ヘクトパスカルの低気圧があります。
すると、この間には気圧差が80ヘクトパスカルもあるということになって、強風が吹き荒れることになります。
鹿島港で、昨年10月に貨物船が座礁して、12月には高波のため、その船体が真っ二つに折れたのは記憶に新しいところです。
そういえば、風力発電所も倒されていましたよね。
台風の場合、中心付近の最大風速が33m/s以上なら「強い」、44m/s以上なら「非常に強い」、55m/s以上なら「猛烈な」と表現されます。
温帯低気圧の場合は中心付近の最大風速の公表は台風のようには強調されないので分かりませんが、
台風で言うところの「強い」と表現される程度にまでは発達したのではないでしょうか?
あれだけの低気圧、あのまま東にいったらアメリカの人は大変だろうなーと思うかもしれませんが、
心配は必要ありません。
実は低気圧はアリューシャン列島沖でほとんど停滞してしまい、
しかも寒冷前線が温帯前線に追いついて閉塞前線が現れた低気圧は、
低気圧近辺の寒暖の差が少なくなって、次第に弱って消えてしまいます。