乗用車のハイブリッドでも、同じ仕組みは可能ですが、トラック用に比較して、エンジン出力に対してモータ出力(正確にはトルク)が大きいので、少し違う方式になります。
日野デュトロ・ハイブリッドは、いわゆるパラレル方式のハイブリッドでして、いわゆるアシスト型です。始動走行時にモータだけで走行する出力はありません。乗用車にも、初期のホンダのハイブリッド車のようにアシスト型がありましたが、現在は、始動走行はモータのみでおこなえるフルハイブリッドが主流です。
デュトロ・ハイブリッドは、セルモータよりかなり大きな23kWのモータを搭載しています。セルモータは、10以上の減速比で減速することで、そのギア音がかなりします。しかしデュトロ・ハイブリッドのモータはセルモータの10倍以上の出力があるため、減速比は小さく、静かなエンジン始動が可能です。
フルハイブリッドの乗用車の場合、アクセル開度が小さいときの始動走行時は、モータのみで走行を始め、モータ出力で不足してくると、エンジンを始動します。もちろんアクセル開度が大きければ、すぐにエンジンが稼働します。
一般の乗用車でもモータだけで始動走行ができれば一番良いのですが、少なくとも120V以上の電圧のバッテリがないと、始動走行可能なモータが作動しません(電流値が大きくなりすぎて、電流損というエネルギ損失が大きく、発熱量が大きいため)。
ご参考になれば幸いです。