2010年、香川真司が21歳の時にドルトムントへ完全移籍したのですが、当時の香川真司はパスをもらってからのドリブルへの切り替えが速く、敵DFを抜き去るようなプレイがよく見られました。これは昔からの特徴であるワンタッチ目のプレイの上手さであると思います。
次に香川はイニエスタに例えられますが、イニエスタではありません。イニエスタの場合は中盤でボールを収め、攻撃のスイッチを入れるような役割を持っています。一方香川の場合はフリーランで前に飛び出したり、サイドで攻撃の組み立てに参加したり、いわば攻撃そのものの駒の役割を持っています。つまりイニエスタは司令塔であり、香川は司令塔によって操作される駒です。ドルトムントにおいてイニエスタに近い役割を担うのはギュンドアンです。2010年当時よりもクセのあるドリブルが減り、確実性の高いプレイを好むようになってきたのも特徴です。また、パスアンドゴーが多用され自分一人でいける場面であっても確実性を求め、味方へパスをしているシーンが多く見られます。ドリブルで相手にプレッシャーを与えるプレイが減り、ボールをもらうとまず味方の位置を確認する素振りが非常に多くなりました。
マンチェスターユナイテッドが香川を獲得した理由は一番はじめに挙げた2010年のプレイ(ワンタッチ目のプレイの上手さ、ドリブル)を評価した為です。でも香川は2010年頃のプレイをしなくなってしまいました。その為に自分の良さを出せず、”守りに入ったプレイ” を行うようになってしまい、マンチェスターユナイテッドで出場機会を失ってしまいます。現状はドルトムントが好調なので、その波に乗り高評価を受けていますが、今のままのプレイを続けているとチームが不調になった時に評価は一気に落ちます。日本代表の香川真司を見て頂ければわかるかと思います。
因みにポジションについては 4-1-4-1、4-3-3の時は左のインサイドハーフを務めます。4-2-3-1の場合はトップ下を務めます。