低いＰａｏ２患者 ↓ 急激に高濃度の酸素吸入を行うと･･･ ↓ Ｐａｃｏ２が上昇 このこと自体ちょっと違います。 CO2ナルコーシスが起こるのは、もともと慢性呼吸不全で、しかもpCO2が「慢性に」上昇している患者さんです。 通常、人間の呼吸中枢は、pCO2が上昇すると刺激されるメカニズムになっていますが、pCO2が慢性に上昇している患者さんではこのシステムがうまく働かなくなっており、そのかわりpO2の低下で呼吸中枢が刺激されるようになっています。 このような患者さんで急に高濃度の酸素を投与して、pO2を上げすぎると、呼吸中枢が麻痺して自発呼吸が低下するためpCO2が（もともと上昇しているところからさらに）上昇するのがCO2ナルコーシスの病態生理です。 pCO2が慢性に上昇している慢性呼吸不全患者さんの管理においては、CO2ナルコーシスを起こさないよう、pO2を「全身に酸素はちゃんといきわたるがCO2ナルコーシスは起こさない」レベル（SpO2でしたら90%台前半、pO2でしたら60～70ｍｍHg）に保つことが重要です。