実際の刀による斬り合いは… 実際はどうだったのでしょうか? ①切れ味について ②殺傷能力について ③刀の強度について
実際の刀による斬り合いは… 実際はどうだったのでしょうか? ①切れ味について ②殺傷能力について ③刀の強度について ①は人によって「脂が巻くから1刀目から直ぐに切れなくなる」とか「刃こぼれして切れなくなる」とか色々な意見が飛び出しどれが真実か良く分かりません。私は中華包丁だって豚や鳥や牛の骨なんかをバッタンバッタン切っているので大丈夫かな?と思いますし、多少の刃こぼれだってそこまで殺傷能力を下げる要因にはならない気がしますがどうなんでしょうか?? ②について。失血死が死因になる事が多いらしいですが、相手が大量出血する時間はどうしても必要になります…よね?では実際に一斬りで相手を戦意喪失もしくは意識が飛んだり即死による戦闘不能な状態にさせる事は出来るのでしょうか? ③については単純で曲がりや刃こぼれの頻度や数、折れは戦闘においてどの程度起こり得るものなのでしょうか?
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やはり我慢出来ずに書き込みます。基本的に私自身が約10年間で80振り(80種類)近い日本刀で実際に斬って来た経験と、戦時中に実際に人を斬った方や逆に斬られた方等とぶっちゃけトークを重ねて来た内容を元に書きます。 ①切れ味について まず初めに「脂がまいて斬れなくなる」についてはほぼフィクションです。人間の身体を斬る時の刀の速度を考えてみて下さい。20人や30人を戦闘不能にするなら間違いなく「脂で斬れなくなる事」はありません。(100%ではないですよ。何十万振りとある日本刀には粗悪品もあるでしょう)脂が刀身にへばりつく様な斬り方しか出来ない人は刀の斬れ味が悪くなる以前に命はないと思います。 「刃こぼれして斬れなくなる」…これも技量の問題です。そもそも刀選びから剣士の力量が問われます。実用刀としての刀目利きが出来ない(見る目がない)レベルの剣士は歴史に名前なんて残っていません。まず、相手の刀を刃で受ける事は稽古不足の証拠であり、実践の刀術では刀身を痛めない捌きを自然と学ぶものです。(余程の金持ち以外はそう簡単に研磨に出したり、買い替えたり出来ないのは今も昔も変わりません) 空論ではなく、私自身が体験して導かれた情報を再度書きます。 約10年間で合法的なあらゆる素材を数えきれない程斬ってきて、刃こぼれは一度だけで捲れが一回です。 刃こぼれは新刀で古刀と刃を合わせた時、捲れは軍刀で鉄板(約3mm厚)に斬り込んだ時に起こりました。(他の先輩や後輩の刀が損傷した事は何度か見ていますが…)また特殊な刀身に限って言えば刃こぼれは簡単に起こります。もの凄く重ねを薄く幅広に造られた刀は巻藁等柔らかい素材なら簡単に斬れますが、3cm以上の青竹などは持ち主が斬ろうとしません。現代刀の波紋の鮮やかな刀身は本来しなければ成らない制作行程の焼き戻しをしていない可能性があり、こういった刀はそれこそボロボロ刃がこぼれます。(私の現在の愛刀は新刀期の刀身ですが、約2年間で巻藁、竹、木材、紙、アルミ缶、薄い軟鉄板、など数千回斬っていますが稽古に支障があるほど斬れ味は落ちていません。もちろん、刀身の曲がり、刃こぼれすらありません。) ②殺傷能力について 日本刀での「斬る技術を体得熟知している斬り手」によってなら、相手の戦闘能力を失わせる斬りつけ(頸動脈を斬り上げたり、手首や親指を斬り落したり、足に斬りつけたり…)は不可能ではありません。即死させなくても戦闘能力を失わせる斬りつけは結構色々在るんですよ。 ③刀の強度について これも斬り手の力量と刀身に比例しますので、下手な斬り手が粗悪品を使用した場合はかなりの確率で刀をダメにしてしまいますが、日本刀としての平均レベルの刀身を稽古を積んだ斬り手が使用した場合は余程の事がない限り折る様な事は起こりません。 追記 kumialphaさんの「本当に切るのは切っ先3寸だけです」は違うと思います。良く居合の稽古などで「切先3寸を意識しろ」と指導する事がありますが、これは初心者への指導をする時に「遠心力」を感じさせる(意識させる)目的で乱用される決まり文句です。刀で物を斬る時に一番適した部分を「物打ち」と呼びますが、物打ちは斬る対象物により移動します。もちろん、細い青竹などなら切先3寸で斬れますが、人の腕を斬り落したり、袈裟斬りをする時はだいたい刃長(鍔元から切先まで)を3分割した時の切先側の中央辺りが速度も乗り手の内も一番安定します。まぁ、百歩譲って頸動脈を斬り上げるだけなら切先3寸でも足りますが。 「③刀の製造時期でも」に関してはとんでもありません。恐らくkumialphaさんは刀剣書は読んでいる様ですが、試斬のご経験はあまり無い様ですね。 ●昭和の軍刀は粗製乱造品なので切れ味は最低です。 全くの誤った情報です。 当方が抜刀の全国大会で優勝した時に使用した刀はまぎれも無く「昭和の軍刀」でした。長さ2尺2寸反り7分で、先幅なんか5分程度の細身でした。(昭和刀(軍刀)6振り、満鉄刀1振りでの試斬経験有り)軍刀が馬鹿にされる発端は日本刀を美術品(商品)として昭和の日本刀ブームの時にビジネスで関わった人達の誤った刀剣価値観が撒き散らかされた事に起因します。確かに、刃中の働きや、地鉄の鍛え肌など見えにくい軍刀は美術品としての地位は得られていませんが…刀としての能力はちゃんとしてます。 ●江戸時代のは殆どは装飾刀なので切れ味はいまいちです。 これも刀剣書の受け売りでしょう。江戸中期の新刀で本年は準優勝しております。 「新刀」(室町以降〜幕末まで)は鉄質が古刀と比べると全体的に固く曲がりにくいが斬り手が下手だと刃切れを起こしたり最悪は折れます。 (大阪新刀・江戸新刀・加州物や肥前物など、約25振りでの試斬経験から) 日本刀に関する誤った書込みだけは黙って見逃せなくて…
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