nationalityが国に「属している」状態であるのに対し citizenshipは社会を「形成する」資格を指します。 後者は、選挙権などを通じ社会の意思決定を担う主体という観点から語られるのです。 近代国家では、国籍を有する者が意思決定を行うのが通例なので、日本のように法律上は「国籍」のみがあって「市民権」という概念を持たない国も多いのですが、 １．公民権獲得以前のアフリカ系アメリカ人や市民的権利が制限されていた戦前の日本女性は、国籍を有したが市民権を有しなかった。 ２．外国人参政権を認める国や自治体では、国籍を持たない者が市民権を有する。（市民権と国籍を別々に持つ例） とも言えます。 米国でも両者の区別はほとんどないのですが、例えば米領サモア等の住民について国民(national)だが市民（citizen)ではないとされ、これら地域からは連邦議会議員は選出されません。 なお、永住権は期限なく滞在を許可するだけであって市民権とは異なります。